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健康対談

阿木燿子さん×渡辺謹三先生

「のど」の健康は、なぜ大切なのですか?

年齢を重ねるごとにますます元気に幅広く活躍中の阿木燿子さんが、東京薬科大学の渡辺謹三教授と、健康の大切さや薬との付き合い方について語り合いました。第一回のテーマは、のどの健康と、「たん」を取る薬の働きについてです。

「止めていい」せきと、「止めないほうがいい」せき

「止めていい」せきと、「止めないほうがいい」せき

渡辺阿木さんは、のどの健康を意識することはありますか。

阿木それはもう、いつもですね。ラジオの生放送、ステージでの司会や歌、どんな仕事のときもせき込んだり、「たん」が絡んだりというのは一番避けたいことですから。お聞きになっている方が聞き苦しくないよう、のどの健康にはいつも気を配っています。

渡辺では、「せき」には「止めていいせき」と「止めないほうがいいせき」があることをご存じですか。

阿木いいえ。「止めないほうがいい」なんていうことがあるんですか。

渡辺ええ。その前に、まず「せき」と「たん」についてご説明します。人が生活をしていると、口や鼻からさまざまな異物が入り込みますが、これを排除しようとして体が起こす反応が「せき」です。一方、ばい菌や刺激性の強い化学物質などが入ってくると、体は急いで粘液を出し、これを閉じ込めようとします。それが「たん」です。

阿木つまり、どちらも体を守るために必要なものなんですね。

渡辺その通りです。「たん」は健康な人でも1日100ミリリットルぐらいは分泌されますが、普段はサラッとしているので、みなさんあまり意識していないと思います。しかし、ばい菌などに対しては、「たん」の量が増え、より粘度の高いたんが出るため、いわゆる「たんが絡む」状態になります。

阿木「たん」が絡む「せき」は、いつもより余計に長く続く気がするのはなぜですか。

渡辺「せき」と「たん」は、「たん」が異物を包み込み、「せき」がそれを押し出すという連携プレイで体を守っていますが、高齢者や病気の人は押し出す力が弱くなるうえ、そもそも粘度の高い「たん」は外に出にくいものです。

阿木「たん」が外に出ないと、のどのなかに残ってしまいますよね。

渡辺そうです。だから体は何度でも同じことを試みて、どうにかして「たん」を外に出そうとします。"「たん」が絡んだ「せき」が続く"というのは、それが原因です。

声には人が現れる。だからごまかせない。

声には人が現れる。だからごまかせない。

阿木だんだんわかってきました。もしそのとき、お薬で「せき」を止めると、「たん」はいつまでも残ったままになる。だから、「せき」を「止めないほうがいい」ということですね。

渡辺おっしゃる通りです。こういう場合はせき止め薬で止めようとせずに、「たん」を取る「去たん薬」を使うと、「せき」も自然に収まることがあります。

阿木去たん薬というのは初めて聞きましたけど、薬局などで「今こんな症状なんです」とお話しすればすすめていただけるものですか。

渡辺もちろんです。みなさん意識されていないと思いますが、風邪のときに病院から処方される薬のなかには、去たん薬が含まれていることも多いんです。専門家に相談をすれば適切なアドバイスをしてくれますよ。

阿木声って、「人」が出ますよね。私自身、家族を亡くして気持ちがふさいだときには声が出なくなったことがありますし、お仕事で会った方の声が少しおかしいと思ったら、ご病気をかくされていたということもあります。「声はごまかせない」って、いつも思うんです。その人の品性や人生の深みまで現れる気がしますし、男性でも女性でも、私が惹かれるのは声がすてきな方です。自分自身、いつまでも艶のある魅力的な声の持ち主でありたいと思っています。

渡辺そのためには、去たん薬やせき止め薬などの働きを知って、上手に使っていただくのがいいですね。それにしても「声に人生が現れる」というのはドキッとしました(笑)。私も阿木さんを見習って、いい声を保てるように努力しなければいけないですね。

プロフィール

作家・作詞家・プロデューサー 阿木燿子さん

作家・作詞家・プロデューサー 阿木燿子さん

夫である宇崎竜童氏率いるダウン・タウン・ブギウギ・バンドの「港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ」で作詞家デビュー。以後、宇崎氏とのコンビで山口百恵ほか数多くのアーティストに作品を提供。小説やエッセー執筆のほか、近年は「FLAMENCO曽根崎心中」公演プロデュースなどを手がける。

東京薬科大学薬学部教授 薬学博士・薬剤師 渡辺謹三先生

東京薬科大学薬学部教授 薬学博士・薬剤師 渡辺謹三先生

1980年東京薬科大学大学院薬学研究科博士課程修了。フロリダ州立化学科博士研究員、東京薬科大学生命科学部助教授などを経て現職。日本薬学会、日本化学会ほか所属。著書に『よくわかるOTC薬の服薬指導』(共著)など。

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