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のど・はなケアコラム 病は空気(気)から

第6回 専門医が語る!体の水不足は万病の元

玉置 淳 先生 東京女子医科大学病院呼吸器内科 主任教授

高齢者の脱水症にご注意

暑くなると体の水分は汗となって放出され、脱水症にかかりやすくなります。健康な人はのどが乾くので、適度に水を補給しますが、子供は発汗量が多く水分補給が追いつかない。高齢者は体温調節機能が低下し体が水を欲していることに気づきにくい。また夜トイレが近くなるのを恐れて水を控える。特に1人でトイレに行けない方は水を控えてしまう。

そのため高齢者は脱水症になり易くなります。これから高齢者の水分不足は特に配慮しなければなりません。

水が不足すると…

水が不足すると…

人間が呼吸する気道の粘膜には、直径1000分の一ミリの線毛がびっしりと生えています。線毛は1秒間に15~17回の速さで動き、気道表面の粘液に流れを生み出しています。この線毛運動による粘液の流れが、侵入した細菌やウイルスなどの異物を外に運び出す、大切な防護システムなのです。

ところが体の水分が不足し、のどが乾いた状態が続くと、線毛の動きが鈍くなり、粘液の流れも滞ります。気道に侵入した異物は排出されずに、線毛の間に溜まり、線毛細胞や粘膜を損傷します。つまりのどがイガイガする、「たん」がからんでいる状態です。体の水不足は防護システムを機能不全にします。たかが「たん」と思ってそのままにしておくと、肺炎や呼吸器不全、さらには窒息することもあるので注意が必要です。

1日1.5リットルの飲水が目安

健康な大人は一日2.5リットルの水分摂取が理想です。三度の食事で1リットル分の水分が取れるので、食事の他に1.5リットルの水を飲む必要があります。元気な方はともかく、高齢の方もトイレを気にせずに水分をとることが大切です。気道の線毛が正常に働くためには十分な水分摂取が必要です。それでものどがイガイガしたり、「たん」が絡む場合は、気道粘膜を修復するカルボシステインなどが配合された薬を服用してください。