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のど・はなケアコラム 病は空気(気)から

第5回 専門医が語る!せき喘息が増えている

玉置 淳 先生 東京女子医科大学病院呼吸器内科 主任教授

文明が進むと喘息が増える?

喘息の患者さんはこの三十年間で約三倍に増えています。最近の調査によると、全国の喘息患者数は七~八百万人と推計されています。喘息が増えた原因は食生活の欧米化、住宅の高気密性など、文明の進化が一因と言われています。また最近は都市部の小児と高齢者の方に喘息が増えています。

一九九五年に喘息で亡くなられた方は七千人以上でしたが、近年では二千人以下にまで減りました。それは治療法が進み、多くの場合、症状のコントロールが可能になったからです。適切な治療と管理を続けることで、大多数の患者さんは通常の生活が送れるようになりました。

せき喘息は喘息の前段階

せき喘息は喘息の前段階

せき喘息の症状はせきが主体です。ほこりっぽい空気や冷たい空気の吸入でせきが出やすいという特徴があります。喘息のようにヒューヒューとかゼイゼイ、呼吸困難といった症状はありません。

しかし「せきが二週間以上続く患者さんの四人に一人が百日咳にかかっている」、「せき喘息を放っておいたために喘息になった方が三割いる」という報告もあります。

一回のせきは二キロカロリーのエネルギーを消耗、一日中せきをすると二千キロカロリーを消耗すると言われます。これをジョギングの消費エネルギーに換算すると、なんと三、四時間分に匹敵します。せきが長く続くと体力が衰え本当につらいものです。こじらせる前に早めに呼吸器内科を受診し、検査を受けてください。

喉は健康のバロメーター

今の時期は気候変動が激しく、体力を消耗しがちです。せきがなかなか治らない、せき払いをいつもしている、という症状は風邪だけが原因でないことも考えられます。特に喫煙者や高齢者の方には、年間を通じてこのような悩みを抱える人がたくさんおられます。のどは健康のバロメーター、せきやのどの違和感が続くときは、医師や薬剤師に相談し、原因を確認して適切な薬を選択してください。